ちゃるこん

理系大学院生による「マインドマップ」を用いた書評、映画評論ブログ。理系大学院生にありがちな日常や、教育や受験についても書いています。

マインドマップ的書評ブログを始めてみた|アドラー心理学『嫌われる勇気』とある生徒について

マインドマップ書評の第一弾は昨年のベストセラーでもある「嫌われる勇気」です!

 

何かと話題になっているアドラー心理学の体系的な理解も深まる本書。

 

しかし、読書嫌いでなかなか読めない「あなた」

 

まずは僕が作ったマインドマップを利用して簡単な理解から初めてください。

 

そして、概要が掴めた所でもう一度本書を手に取って読んでみてください!

 

きっと、理解も早まることと思います。

 

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簡単に言うと、アドラー心理学の重要な概念として挙げられるのは、

  1. ユング・フロイト的な「原因論」ではなく、「目的論」の立場をとる。
  2. すべての悩みは「対人関係の悩み」である。ー劣等コンプレックスをなくす。
  3. 他人の課題には踏み込まず、自分の課題には介入させるな
  4. 自己に執着せずに、より大きな共同体に目を向けろ
  5. 「いま、ここを真剣に生きる」

この5つに分類されます。

 

1.について自分の例も含めて話したいと思います。

 

  1. ユング・フロイト的な「原因論」ではなく、「目的論」の立場をとる。

よく知られるユングやフロイトの心理学では、人の行動について過去に原因を探ります。

しかし、アドラー心理学では、「トラウマ」を明確に否定し、人の行動を未来への目的のためであると考えます。「トラウマ」とは結局、「過去の経験に自分が与えた意味」であるとするのです。

例えば、自室に閉じこもっている人がいるとします。

「”過去”に自分は両親に虐待を受けたから、社会に適合できないのだ」と考えているのはそう考えたい目的があるからにすぎません。

その目的とは「外に出ないこと」つまり、外に出ないことで親が心配し、親の注目を一身に集めることができる。外に出ると、誰からも注目されない「その他大勢」になってしまいます。

それを避けるため、外に出ないという選択肢を取ったのです。

僕が働いている塾の生徒でこのアドラー心理学を用いて考えると合点がいく生徒がいました。

その生徒は、浪人していて個別指導塾に来る以外は基本的に家で勉強していました。しかし、その生徒は塾に来る前や模試前になると必ずと言っていいほど、胃腸炎になります。それもかなり重いものでしょう。さらに、教わったことはほとんど1週間でわすれてしまいます。何度同じことを教えてもです。

普通に考えると、体調が悪く、かわいそうな子で済みますが、僕はそうは考えませんでした。体調を悪くしたいという「目的」があるのだと考えたのです。

それはおそらく模試で悪い点数を取りたくない。勉強をしたくない。という目的からでしょう。これでは成績も上がらず、体調も改善しないでしょう。

 

志望校に本気で行きたいのであれば、勉強を好きだと思うしかないのです。

勉強を好きなんてみんなの前で言えない恥ずかしいと思うかもしれませんが、自分の心の中でそう思っていればいいだけです。

 

「自分は変えられます。」

悪い目的を持っていると自覚したら、いい目的へと切り替えてあげてください。そうすれば、いわゆる「トラウマ」から脱出できるでしょう。